どうか無事で。

この週末は、引きこもりの週末でした。


家から出たのは、2日間のうちで買い物に行った1時間のみ・・・。
でも、家の中では掃除、洗濯、書類の整理、デジカメの写真の整理などなど、
割と動いていたと思います。


そして、新たな一週間が始まった今日は、妊婦健診とお産2件が重なり、忙しい朝でした。
一つしかない分娩室に、1人は分娩台に、1人はストレッチャーに乗り、お産の同時進行。

隣とは30cmくらいしか離れていませんが、もちろんカーテンなんてありません。


どんなお産になるかと思っていたのですが、1人の妊婦さんが、赤ちゃんの向きが横向きで
郡病院でのお産は無理ということで、搬送になりました。

でも、郡病院には救急車がないので、家族にどこからか自動車を調達してきてもらい、患者さんと家族だけで
ビエンチャンの総合病院に行ってもらいます。
一応、申し送りのような書類は持っていくようですが・・・。


どの総合病院に行くか、というか、大きな病院に行くかは家族次第なのです。


この前も、早朝に郡病院で妊娠34週で1550gの赤ちゃんが産まれました。
日本では、産まれてすぐにNICUに入り、体温や呼吸の管理がされます。
しかし、この子は産まれた後、お母さんが落ち着いて、医師が書類を書くまでは、いつも通りコットに寝かせ、
一応温めているつもりなのか、唯一のライトが当てられ、ドアが全開の部屋にいました。

スタッフは誰もおらず家族のみ。搬送のために急ぐ様子もなし・・・。


申し送りでこの子のことを聞いたあとに、この状況を見て、あごがはずれそうになりました。

近くにいたスタッフと、温めたり、体温を測ったりしているうちに家族が連れて行くことになりました。
病院へ向かう車は、乗り合いのトラック。
乗るのは荷台です。
この日は気温も低く、風が思いっきり当たる中、おばあちゃんの腕の中でこの子は1時間過ごすのです。


どうか無事にたどり着いて欲しい、と願うばかり。


後日、ビエンチャンの母子保健病院にいる協力隊員に、この子が来たかたずねてみましたが、母子保健病院の
NICUには来ていないとのことでした。


母子保健病院に送るって言ってたけど・・・。


看護師長さんに聞いたところ、病院側は母子保健病院に行けといったが、家族が連れて行くので、
他の病院に行くこともあるとのこと。
さらに、患者の中には大きな病院までの交通費が払えない、大きな病院が嫌い、怖いという理由で
行かない人もいるそうです。
大きな病院に行くといって、そのまま自宅へ帰ってしまう人もいるそうです。


郡病院側も、その後どうなったかという確認はしないようで、たまに家族に電話することもあるそうですが、
全例ではないそう。
この子の場合、連絡先を聞いていなかったので、結局分からずじまいです。


この状況は、何とかならないかと思っています。


1550gの赤ちゃんが産まれた後の対応、搬送の仕方、その後のフォロー・・・。
ラオスの医療の課題がいっぺんに見えた気がしました。


今日の妊婦さん・・・。
陣痛は強くなってきていたので、さすがにそのまま家に帰ることはないとは思いますが・・・。


どうか、お母さんも赤ちゃんも元気でありますように。