ラオスの医学生

先週までの4週間、ビエンチャン医学生が郡病院に実習に来ていました。


今回実習に来たのは、6年生の36名。
ビエンチャン市内の6つの郡病院に、それぞれ分かれて実習したそうなので、1学年約200名ぐらいということになります。


学生は大きく2つのグループに分かれ、4週間の実習のうち、2週間は郡病院、残りの2週間はヘルスポストで地域実習をします。
郡病院での2週間の中で、さらに3つのグループに分かれ、母子保健課、外来、病棟をそれぞれ3〜4日ずつ回っていました。


日本だと、医学生は男性が多いですが、ラオスでは女性の方が多いです。
今回サイタニーに実習に来た学生の中では、男性は3分の1ぐらいでした。
医師になるための大学は、ビエンチャンにしかないので、学生は全国から集まってきます。
出身を聞くと、まさに北から南まで、いろんなところから来ていました。
学校があるのはビエンチャン市内の中心部で、みんな22才前後ということで、男の子も女の子もみんな綺麗でおしゃれな感じでした。お金持ちの人も多いんだろうと思います。


日本で私が看護学生、助産学生だったころの実習は、まさに緊張の連続!!
何をするにも、担当のスタッフに報告をしないといけないのですが、そのスタッフが業務で忙しそうにしていると、何も話しかけられず、うろうろするばかりでした。
患者さんに対して何か処置をするには、必ず先生かスタッフが見ている前でするのが当たり前。だから実習は本当に疲れました。


しかし、ラオスは違います。


①まず、実習中に先生が来ない。来るのは最初の日のみです。

②ほぼスタッフと同じ仕事をします。4日に一回は夜勤もします。
 スタッフも、学生を1人のスタッフとして当てにしている感じ。

だから、私が朝出勤して、学生だけで妊婦健診をしている姿を見てびっくりしました。
「まだ卒業もしていないのに(ラオスには国家試験はありません。)、スタッフも先生も見ていないところで、学生だけでやるなんて!何考えてんの!!」
と、思わず怒りそうになりました。


他にも、スタッフに言われて、学生が患者さんに注射をするときに、何も声をかけずにいきなりブスッと刺したり(もちろん誰も正しい手技かなんて見ていない。)、実習中にも関わらず、椅子に座っておしゃべりして、側で患者さんが立っていたり・・・。

本当に、びっくりしてしまいました。


私は、学生だけには任せていられないので、側について、学生が健診した後に、もう一度私が健診をしました。



<妊婦健診>

お腹の触診も、学生はぐいぐい押しているだけなので、手を添えて、どっちに赤ちゃんの背中があるか、頭はどこか一緒に確認をしました。
そうしているうちに、学生も分からない時には聞いてきたり、「ミワ、いっしょにやって。」と声をかけてくるようになりました。
彼らも、1人でやることは不安だけど、やらなければいけない状況なのでやっているということがわかってきました。
そして、手持ち無沙汰でおしゃべりしてしまうということも、わかってきました。

↓健康教育をしています。


私が一人の学生に教えると、他の子が「私も、私も!!」と積極的に聞いてきたり、メモを取ったり、教えたことをすぐに自分で実践したり・・・。
一つ教えると、すぐに吸収して実際やってみようとする姿は、ぜひとも郡病院スタッフに見習って欲しいぐらいでした。(笑)
だから、私も学生と一緒に妊婦健診をするのが楽しくなってきました。


でも、楽しい時間は終わりがあります。

先週の木曜日に、学生がこの実習で学んだことをまとめた発表会がありました。
詳しい内容は、よくわからなかったけど、最後の提案のところで、「先生にもっと見に来て欲しい。」といっていました。
やっぱり、学生もそう思っているんだなあと思いました。


発表会が終わった後は、学生主催の食事会がありました。
お世話になった(っていうより、スタッフがお世話になってるだろう!!って感じですが。)スタッフに、学生が用意してくれた食事をみんなで食べます。

何と、ビールも出てきます。
昼間から、スタッフも学生も一緒になって宴会です。

終わったら、みんなバイクで帰るのに、これでいいのか!!!???


いろんな疑問が残る実習ですが、ラオスの学生と触れ合うことができて、私にとってもいい勉強になりました。