シェンクワンという街。

シェンクワンに来て5日目です。

ここに来る前、シェンクワン出身のうちの大家のおばあさんや事務所のスタッフから、

「シェンクワンは山の上だから、コートとマフラーが必要なくらい寒いよ!風がビュービュー吹いてるよ!!」

と言われていました。
ビエンチャンは最近涼しくなったと言っても、昼間はまだまだ暑いので、同じラオスでもそんなに寒いのかあと思いつつ、準備をしていました。

でも、私はもともと日本から長袖を数枚しか持ってきていなかったので、他の隊員やスタッフから、長袖の服やフリースを借りてやって来ました。

しかし、実際来てみると、幸いにもそれほど寒くありません。
昼間は半袖でいいくらい。標高が1200mほどあるので、太陽が近いせいか、日差しがとても強いです。
夕方、日が沈むと一気に涼しくなりますが、パーカーなど長袖を羽織れば大丈夫なくらいです。

12月から2月までが本当に寒いのだそう。
あー、よかったー。

山の上なので、ときどき風は強いけど、乾季でカラッとしているので、とても気持ちがいいです。近くに見える山の中には、木がないなだらかな山もあり、九州の阿蘇を思い出す、きれいな景色です。
私達は、県庁所在地の郡にいますが、家も車の数も少なく、とてものどか。明かりも少ないので、夜に食事をした後、歩きながら上を見上げると、とてもたくさんの星を見ることができます。
ビエンチャンでは、明かりも多いし、砂ぼこりが多く、これほどたくさんは見ることができません。


民家やゲストハウスの中には、シェンクワンで見つかった爆弾の一部を家の前に飾ったり、柵の一部にしたりしているものを見かけます。中には、コレクターもいるそうで・・・。

私たちが泊まっているホテルの前にも、扉の前に飾ったり、



爆弾の空を植木鉢に使っていました。



うーん、すごいです。



また、シェンクワンには、ジャール平原という観光名所があります。
ひろーい平原に、ごろごろと謎の石壷が転がっています。



↓↓これが一個。



これがいつ頃、何のために作られたのか、まだはっきりしたことはわからないそうですが、中から人骨やガラス玉、土器、石器などが発見されたり、近くの洞窟で天井に向かって煙突のように穴が開いており、その中から人骨も発見されたことから、洞窟で火葬した後に骨を副葬品と一緒に石壷に納めた「石壷=棺おけ」説が一番有力だそうです。
平均的な石壷の重量は600kgから1トン。最大のものでは、6トンもあるのだそうです。

金曜日の夕方、一緒に仕事をしているラオス人の方に連れて行ってもらったのですが、広い平原を歩いていて、目の前に現れる無数の石壷。



ちょうど日の入りで、夕日に照らされた石壷を見ていると、どうしてここにこれだけの数のものが集まったのか、どうやって作ったのか、どうやって運んできたのか・・・疑問がいろいろ湧いてきました。


うーん、ミステリー。


しかし、そんなことを考えているうちに、太陽は沈んでしまい、あたりは暗くなってきました。
だだっ広い平原に、電気なんてあるわけがありません。しかし、順路どおりに行くとこれからさらに丘を登らなければならず、先は長い・・・。

どうしようかと思っていると、ここの管理人が遠くで「ピピーーーー!!」と笛を鳴らしています。
どうやら、私達に向かって吹いている様子。暗くなるから、順路ではなく、来た道を戻って来いとジェスチャーしているようです。

仕方なく、来た道を戻った私達・・・。
夕日はきれいだったけど、さすがにここで遭難するわけには行きません。
それに、この辺りは地雷の除去は終わっているそうですが、まだ下手に道をそれると危険は一杯です。(汗)


そういう怖さは、ビエンチャンでは感じたことがありません。
きれいに見える山も、一歩入れば地雷の危険が。


本当にここは戦争があった土地なんだと、あらためて感じています・・・。