ラオス北部の旅日記〜ヤオ族との出会い編〜

5月に入りました。日本はゴールデンウィークですね。4月29日の夕方から、ビエンチャンにいますが、日本人旅行者をちらほら見かけます。今年はタイがえらいことになっているので、ラオスへの旅行者も少ないのでは?と思っていますが、どうなんでしょうねえ・・・。

ラオスは、日本に比べると祝日が少なく、しかも「先生の日」というような祝日では、学校は休みになりますが、病院など学校に関係のない施設は休みになりません。
5月1日は、メーデーの祝日でしたが、今年は土曜日と重なっていたので、残念・・・と思っていました。
しかし、4月28日あたりの新聞で、「5月3日を振り替え休日にします。」という国からのお知らせがあったようで、金曜日にカウンターパートに確認したところ、「休みだよ。」と言われました。
きっと、自分から聞かなかったら誰からも教えてもらえなかったことでしょう・・・。危うく、月曜日に出勤するところでした・・・。
というわけで、いきなりの3連休。急すぎて計画も立てられないし、暑いしお金もないので、クーラーの効いているカフェでのんびりしています。ここなら、ネットも無料で使えるので、ずっと書こうと思って先延ばしにしていた、北部旅行の日記を書こうと思います。ちょっと長くなりますが、お付き合いくださいませ。(その代わり、いろんな写真を取り揃えております。)


ラオスは、国内に40を超える民族があるのですが、特に北部は多く、その中でもルアンナムター県のムアンシンという郡は、8つの民族が生活をしています。それぞれの民族は、それぞれの言葉、衣装、住まい、文化を持っています。

ルアンナムター県の県庁所在地からムアンシンにまでは、バスで2時間ほどかかりますが、ムアンシンに向かう道沿いにも、いろんな民族の村があり、彼らの生活を垣間見ることができました。私達は、泊まったゲストハウスが取り扱っている1泊2日のツアーに参加することにしました。


まず1日目。

結局、このツアーに申し込んだのは私達日本人2人のみ。ガイドはルー族のカムラー。ガイドになったばかりの男の子で、とてもさわやかで明るい子でした。
朝、車に乗りこみ、山のほうまで走ったところで降ろされました。いきなり急勾配の山登りから始まり、普段運動不足の私達は、10分もしないうちにこのトレッキングを選んだことを後悔・・・。(涙)でも、カムラーがペースを落としてくれたり、休憩をこまめに取ってくれて、何とか最初の難所を越えました。
私たちが登ったのは、ルアンナムターの自然保護区。最初の急勾配のあとは、なだらかな斜面を歩いたり・・・。

時には、こんなはしごに登ったりもしました。

滝も見に行きましたが、乾季の終わりごろということもあり、残念ながら水はほとんど流れていませんでした・・・。(涙)
滝の上でのお昼ごはん。野菜炒めと、豚肉を焼いたものとカオニャオです。

木の葉っぱで包んだお弁当。歩き疲れた後のお弁当はおいしかった!

その後もずんずん歩き、小さな山をいくつも越えました。いやー、よく歩いた。

「思〜えば〜遠〜くへ来た〜も〜んだ〜♪」ってか?

きれいな花も発見。こういうところに幸せを感じます。

途中、焼畑をしていたり、焼畑のあとゴムの木を植えている山も見えました。本当は、焼畑は国で禁止されているのですが、まだまだ続いているのが現状だそうです。

午後にやっと村に到着。最初はアカ族の村に入りました。アカ族は、割りと派手な色と銀色の飾りをたくさんつける衣装が特徴です。きれいな衣装なので、写真に撮りたかったのですが、「撮ってもいい?」と聞くと、拒否されるので、なかなか撮れませんでした。
あとは、「サバイディー。」と挨拶した後に、「何かちょうだい」という意味なのか、手を出してくる子どもや大人。外国人観光客がどんどん村に入ってきて、彼らにお金やお菓子を上げて写真を撮ったりしているためか、何かくれないと、写真は撮らせないぞ、という雰囲気でした。
私達は、そういうのはあまり好きじゃないので、物やお金はあげず、そのまま村の中を通っていきました。写真が撮れたのは、いるかならぬ、水牛に乗った少年(笑)のみ。

水牛もかっこよくて好きだけど、それを自由に乗り回すなんて、素敵過ぎます♪

いくつか村を過ぎた後、この日泊まらせてもらうヤオ族の村に到着。
ホームステイといっても、ヤオ族の人の家に泊まるのではなく、外国人用に小屋があり、そこに泊まりました。造りはヤオ族の家と同じで、竹を編んだような壁でできた小屋ですが、布団もきれいだし、蚊帳もありました。高床式ではなく、地面に床がついている家です。モン族なども同じスタイル。
↓これが寝室。

話を聞くと、どうやらこの村のおばちゃんたち10人ぐらいで組合のようなものを作っており、ツアーの客が来ると、順番でお世話をするようになっているそうです。小屋の壁には、「食事」、「マッサージ」など項目ごとに値段が書かれた表と、組合?に参加しているおばちゃんたちの拇印が押してある書類が貼ってありました。

この日、私達を担当してくれたのは、組合番号(笑)8番のおばちゃんでした。おばちゃんは、小屋の中のかまどで私達のために食事を作ってくれました。ラオ族は、炭を使って調理しますが、ヤオ族は薪を使っていました。時には、ながーい薪も登場です。

メニューは野菜炒めのようですが、おばちゃんの息子がどこからか油を買ってきて、おばちゃんは初めて使うのか、ガイドのカムラーに「これくらいでいいの?」と聞いたりしていました。カムラーに聞くと、ヤオ族の食事はとても辛いので、ツアー客の食事は、別に材料を持ってきて、作ってもらっているそうです。私達は、ちょっと残念な気がしました。
私たちのことを考えてやってもらってはいるものの、こうやって外国人が村に入ってくることで、彼らが今まで使ったことのないものが外から入ってきて、変わっていくんじゃないかなーと思ったり・・・。

できたご飯は、野菜炒め、チンゲン菜のスープ、カオチャオです。

ヤオ族はもち米ではなく、うるち米を食べるそうで、これは本当においしかった。普段自分で炊いたご飯とは比べ物にならないくらいで、もりもり食べちゃいました。
私たちが食事をしていると、村の子どもや大人が集まってきて、じーっと食べるところを見られました。(笑)

食べているものを欲しがるということはなく、ただ見ているだけ・・・。
どうやら、ラオス語をしゃべれる外国人が来たぞー!ということで、見に来た様子?ヤオ族は、ヤオ語を使いますが、小学校に入ると学校でラオス語を習うそうで、大きめの子どもや大人の中には、ラオス語がしゃべれる方がいました。なので、私達は彼らと直接ラオス語でしゃべることができました。私達は、ヤオ族の生活が見たくてやってきたけど、ヤオ族の人にとって見れば、外国人が何をどうやって食べているのか興味があるのでしょうか?見られていると、「見られる立場」の気持ちが分かるような気がしました。

食事の後は、アップナム!(水浴び)です。電気も水道もないヤオ族の村。乾季で、雨水もない・・・となると・・・?

そうです!川でのアップナムです!!

ラオス人の女性は、アップナムシンという薄い布を身体に巻いたまま、水浴びをします。(男性は、パンツ一枚。)アップナムシンは、パジャマ代わりにもなるので、私達もこの旅行に持ってきていたのですが、実際アップナムシンを着たまま水浴びするのは初めてでした。村の近くの川には、蛍が飛んでいて、子どもの時以来に見る蛍に感動!!ちなみに、ここで水浴びしました。

アップナムをしている時にも写真を撮ったけど、あまりのセクシーショット?だったため、一緒に行った友達からブログに載せる許可が下りませんでした・・・。

川には、他のヤオ族の男女がいたのですが、私達に先に入るよう勧めてくれました。2人でぎゃーぎゃー水浴びしている間も、じっと周りで見ている彼ら・・・。
身体に布は巻いているし、暗いから見えないだろうけど、何だか気になるので、「みんな一緒に浴びようよー。」と何度も誘ったのですが、「いや、お客さんが先に・・・。」と言って、最後まで入ってくれませんでした。(涙)
水浴びが終わり、川岸で着替えたのですが、濡れた布で隠しつつ、乾いた服を着るのは難しい!!2人で隠しあいながら着替えましたが、時にはポロリになりそうに!!(笑)みんなから見えないように、わざと暗いところで着替えていたのに、優しいヤオ族の人は、「そんな暗いところで着替えたら危ないよ。」と、親切に懐中電灯で照らしてくれました。(涙)
そして、夜はヤオ族の若い娘達がヤオ族の歌に合わせて踊ってくれました。

ま、これもツアーに含まれているのですが・・・。そうは言っても、わざわざ私達二人のために・・・と思うと、悪いなーという気がしましたが、踊っている女の子の家族や、村の子ども、大人たちも集まって観ていたので、みんなで楽しいからいっかーと思うことにしました。
さらに、小屋でマッサージまでしていただいて、本日のツアーは終了。布団に入ると、あっという間に就寝。


2日目。まだまだ続くぞー!

枕元の壁の外にいる豚の「ブヒブヒ」という声で起床。私も33年以上生きていますが、豚に起こされたのは、この日が初めてです。
外に出ると、豚の親子が。

母豚、ちょっと痩せてて心配です。痩せた豚も、人生で初めて見ました。(笑)

再び村のみんなが見守る中、朝ごはんを食べ、お世話になったお礼に、おばちゃんたちが作った小物を買いました。

そして、ダメもとでおばちゃんに「ヤオ族の民族衣装が着たい。」とお願いをしたところ、何とOK!!
おばちゃんが娘の衣装を持ってきてくれ、着させてくれました。

まず、頭に布を巻いていきます。

まるでインド人のターバンみたい。(ターバンを巻いたことはないけど・・・。)

この布は、3枚巻いて、最後の1枚にはきれいな刺繍がしてありました。

頭はこれで完成。
次に、大き目のズボンの形をしたものをはいて、シンのように折ってベルトで巻きます。

今日も、見学者がたくさんいます。

これは、刺繍が本当に細かくてきれいでした。刺繍のアップ。

この刺繍、仕上げるのに約1年かかるそうです。

さらに、上着を着て、腰で結んで完成!!

首の周りのもこもこは、暖かくてこの日は暑いぐらいでした。でも、涼しい北部にはあった衣装なのかなと思いました。
写真はヤオ族のおばちゃんと。前から見た感じ。

次は後ろ。

最後に村の人と。この中に、日本人が2人いますが、わかりますか?(笑)


ラオス語ちょっとしゃべれるし、このままヤオ族で生活してもおもしろいかな、と思ったり・・・。

さて、楽しいヤオ族の村に別れを告げ、再び出発です。昨日のような急勾配の道はなかったので、いろいろしゃべったり、歌ったり・・・。
そして、途中の道沿いには、さとうきび畑が。

カムラー「さとうきび食べるー?」

私達「食べるー♪」

勝手に畑に入っていくカムラー。

私達「・・・・・。いいの?勝手に入って。」

カムラー「だいじょーぶ、だいじょーぶ。」

器用にナイフで削ってくれました。

勝手にいただいたさとうきびをしゃぶりつつ、再び歩いていく私達。

途中、アカ族の村やルー族の村も通りましたが、さすがに民族衣装を着た人には出会えませんでした。だんだんお祭りや特別な時にしか着なくなってしまうのかもしれませんね。日本のように・・・。

お昼過ぎに、ゲストハウスに到着し、ツアーは終了しました。

私達は、お金を出してこのツアーに参加したものの、最後はちょっと複雑な気持ちでした。
少数民族の人たちは、普通に生活しているだけなのに、外国人がどんどん村に入ってきて、珍しがって写真を撮って・・・というのは、あまり好きじゃないんだろうなーと思います。確かに、外国人が来れば、現金収入は増えるけど、外からいろんなものが入ってきて、彼らの生活が変わっていくことは確かです。便利なものを知れば、それを使いたくなるのは当たり前。
でも、彼らの生活が変わっていくことを残念がる外国人。何とも身勝手だなーと思いました。

ヤオ族の村で、「見られる」経験をしたのは、良かったなかな。(笑)


途中で入れるのを忘れていた、ヤオ族の写真。

まずは、おんぶ紐。

かなり使い込んだものでしたが、刺繍がとてもきれいでした。

そして、その背中にいた赤ちゃん。

この帽子も、ヤオ族独特のものだそうです。刺繍や飾りがとってもかわいかった!!